CASES実例

五つの現場を、少し長めにご紹介します。何が起きていて、どう設計して、何が変わったのか。
そのあとに、これまでの仕事を、発注・主催した方とパートナーがわかる形で並べました。

01

プロダクトマネージャーカンファレンス 2025

10周年・東京開催/OSTの設計と、運営コアチームへのコーチング

依頼
一般社団法人プロダクトマネージャーカンファレンス実行委員会
関わり方
OST の設計、コアチームへのコーチング
  • 事業会社のPM
  • スタートアップ
  • エンジニア
  • デザイナー
  • 運営コアチーム
会場全体。40のテーマが同時に走る
和傘の下の車座。テーマを出した人を真ん中に
当日のグラフィックレコーディング

Issue何が起きていたか

10年目を迎えるpmconfの運営スタッフから、OSTをやってみたいという相談が届きました。最初は、サブ企画のひとつという位置づけです。

話を聞くと、運営チームにはいくつもの問いがありました。登壇で刺激を受けても、日常に戻ると行動につながりにくい。PMといっても、経営層から新人まで立場はさまざま。ヒーローの話を聴くより、参加者どうしで知恵を持ち寄れないか。これまでも熱量は十分。でも、もっといい場にできるはずだ、という思いです。

Designどう設計したか

運営コアチームと三日間の「OST実践プログラム」をひらき、自分たちのOSTを一緒に設計しました。

まず、そもそもOSTを使うべき場面かを確かめる。次に、メンバーの経験を聞き合い、繰り返し出てくる関心を、メンバー自身の手で地図にする。いちばん意見が割れたのは「このカンファレンスが届けたい価値」でした。そこは急いでまとめず、一人ひとりが自分の問いとして書き、持ち寄ることにしました。

最後の対面のOST体験会で、当日の真ん中に置く問いが決まりました。「pmconf2025が私たちにとっても、参加者にとっても、社会にとっても、これまでで最高の『動き出し』となるために、今あなたがみんなとガチで話したいことはなんですか。」

Result何が変わったか

体験会での対話をきっかけに、運営チームは本編のデザインを見直し、OSTをメインプログラムに据えることを決めました。

2025年12月4日の当日は、100名を超える参加者が円になって座り、40のテーマが立ちました。「聴講」の場から、参加者が主役となる「共創」の場へ。

くわしい記録:WORKARTS note「OSTのデザインの肝は、合意形成ではなく文脈形成」

02

支援者ウェルビーイングフォーラム Sapporo 2025

2025.11 支援者ウェルビーイングネットワーク/北海道大学/共同主催・場の設計

主催
支援者ウェルビーイングネットワーク・北海道大学
関わり方
共同主催・場の設計
  • 福祉・教育の現場
  • 経営者
  • 研究者
  • クリエイター
  • 国会議員・市議会議員
会場は北海道大学
40名を超える輪
出てきた言葉を、その場で壁に

Issue何が起きていたか

教育・福祉の現場は、ひとりひとりを大切にしたいと願うからこそ、閉じた、自己犠牲的な働き方になりがちです。

札幌でこども・教育・福祉に関わる有志と、ケアする人どうしが組織を越えて支え合える関係をつくれないか、と考えたのが始まりでした。

Designどう設計したか

開催までの半年間に、リーダー層が集まる交流会を六回ひらき、それぞれが抱える課題を分かち合いました。

当日(2025年11月23日、北海道大学)は、名札に肩書きではなく、自分の関心を問いの形で書いてもらうところから。四相の実践をケアに置き換えた図の上に立って自分の問いを見つめ、クエスチョンカフェで問いを磨き合い、最後はOSTで、話したい人が自分の問いを呼びかけました。

Result何が変わったか

40名を超える参加者の声から浮かんだのは、「問いの孤独感」という言葉です。自分だけだと思っていた悩みが、別の組織では「あるある」だった。

フォーラムのあと、合同の勉強会、職場を行き来する人材交流、経営者やマネージャーの対話会など、組織を越えた動きが自発的に始まっています。

くわしい記録:WORKARTS note「問いの孤独感は、組織を超えてつながる力の源泉」

03

みんなでつくる防災ワークショップ

愛知県東浦町・藤江地区/住民参加の防災計画づくり

発注
愛知県東浦町
パートナー
東京大学・政策研究大学院大学
関わり方
ワークショップのホスト
  • 藤江地区の住民
  • 町長・町議
  • 国・県・町の職員
  • インフラ事業者
  • 大学の研究者
住民が、自分の使う道を地図に書き込む
黒板の前で、共助の目標を立てる

Issue何が起きていたか

地震の研究は進み、全国の地震動予測地図も公開されています。けれど、それが住民の行動にはなかなか結びつきません。

科学の知見と、暮らしのなかの防災の知恵。そのあいだにある距離をどう縮めるか。それが、研究者の側の問題意識でした。

Designどう設計したか

研究成果を講義で説明するのは、やめました。

かわりに、住民の皆さんにふだん使う道や場所を地図に書き込んでもらい、そのデータを研究者がその場でシミュレーションに入れます。自分たちが書いた線が、自分たちの町の被害として画面に返ってくる。そんな流れのワークショップを設計し、ホストしました。

Result何が変わったか

画面を見た住民の方から出てきたのは、「ここが通れなくなるのね」という声でした。

そこから話は、避難の手順ではなく、近所でどう助け合うかへ移っていきました。災害のとき一人ひとりが何を必要とするかは、住民どうしの対話のなかでしかわかりません。研究と地域のあいだを翻訳する、科学コミュニケーションの仕事です。

くわしい記録:SciREXニュースレター vol.14(研究プロジェクトの報告)

04

株式会社ONE

札幌・障害福祉/行動指針づくりと、経営チームへの伴走

依頼
株式会社 ONE
関わり方
全スタッフのワークショップと行動指針づくりの設計
  • 経営チーム
  • 拠点の管理者
  • 現場スタッフ
  • 社外のデザイナー
全スタッフのワークショップ「チームの可能性を、みんなの声から」
車座で。管理者もスタッフも、同じ椅子に
その場で描き、その場で壁に返す

Issue何が起きていたか

リーダーは熱い想いを持っていました。けれど、スタッフに助言をしても同じ問題が繰り返される。行き詰まりを感じている、というのが最初のご相談です。

あとから分かったことですが、そのとき水面下では、5〜6名が一斉に退職し、事業所が閉鎖しかねないところまで、スタッフの心が離れていました。

Designどう設計したか

まず、リーダー自身の想いと葛藤を綴った「呼びかけ」の文章をつくりました。共同創業者と管理者とは、事前に一対一で話す時間をとっています。

そのうえでワークショップをひらき、本音で話せる場と、「対話」という共通の言葉を持ち帰ってもらいました。理念と行動規範はみんなでつくり、毎日の話し合いで使えるブランドブックにまとめています。

Result何が変わったか

5〜6名の退職と、一つの事業所の停止は避けられました。金額にすれば、1,500〜2,000万円規模の損失にあたります。

いまは、スタッフが問題を隠さず、その場でリーダーに相談できる関係になっています。事業所は増え、外国人研修生を含む新しい採用も進んでいます。

05

ココルクえべつ(江別版「生涯活躍のまち」)

2020〜2024 江別市/住民ワークショップの設計と、その後の発信

発注
江別市
パートナー
NPO法人 えべつ協働ねっとわーく
関わり方
住民ワークショップの設計とメインファシリテーター、note の記事づくり
  • 江別に住む人・働く人・学ぶ人
  • 福祉事業者
  • 地域の企業
  • 江別市
施設の前で、子どもも大人も夏まつりの踊りの輪に
世代をこえて、同じ場で手をあげる
歩行車とベビーカーが、並んで立ち話

Issue何が起きていたか

札幌盲学校の跡地に、高齢者住宅や福祉施設をつくる計画が進んでいました。ただ、高齢の方だけが暮らす場所になれば、まちから切り離された施設になってしまいます。

江別市が描いていたのは、子どもや若い世代、障がいのある方、高齢の方が自然に行き交う「共生のまち」です。市、事業者、地域の団体と関わる人が多く、それぞれに制約もありました。

Designどう設計したか

関係する人たちの制約を確かめながら、2020年の夏から秋にかけて、市内の会館やコミュニティセンターをめぐる住民ワークショップを6回ひらきました。コロナ禍のさなかだったので、会場とオンラインを組み合わせています。

真ん中に置いた考え方は、「まちのことを自分ごとにする」ではなく、「自分のことを話せるまちにする」。施設の計画を説明するのではなく、この町で自分らしく長く暮らしていくために、いま何を話し合いたいかを問いました。暮らしのニーズやアイデアを出し合い、参加者どうしのつながりと、一緒に動く担い手を探す場です。

Result何が変わったか

6回で、のべ138名が参加しました。多世代の交流、趣味や学び、移動、ご近所のつながりなどについて、21のアクションのアイデアが生まれています。

2021年9月にオープンしたココルクえべつには、福祉施設と並んで、パン工房、レストラン、温泉があります。おいしいパンを目当てに来た家族が、カフェで入居している方と自然に顔を合わせる。お見舞いのためではなく、楽しみのために人が集まる場所になっています。

その後も、住民の「やってみたい」を地域の企業とつなぐ企画「とくい と ありがとう」などが生まれました。私たちは、その様子を伝える note の記事づくりも担当しています。

くわしい記録:江別市「生涯活躍のまち」ワークショップの報告/ココルクえべつ note「とくい と ありがとう」

ALL WORKSこれまでの仕事

公開できるものを並べています。23件。
制作会社・デザイン会社・大学などと組んだ仕事は、パートナーも載せています。

関わり方
発注元

※ 2020年のWORKARTS合同会社 設立以前に、代表・反町恭一郎が個人として担った仕事を含みます。
※ 一対一の個別支援は、守秘のもとで続いているため掲載していません。

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